グラスホッパー

グラスホッパー (角川文庫)

グラスホッパー (角川文庫)


妻を殺された「鈴木」、殺し屋の「蝉」と「鯨」の3人の目線で物語は進む。


全体を通して暗いんだか面白いんだか良くわからない雰囲気が流れているのが良い。
いわゆる「伊坂節」とはちょっと違う感じ。
村上春樹的」と言われる*1いつもの調子ではなく、安部公房的なウィットを感じた。
特に「鯨」が自分を殺した死者の幻影をみるところ、ホームレスの「田中」との会話あたり。
最後がトントンと進んで納まっちゃった感があるのはいまひとつかな。

*1:私はそうは思わないけど。